2010年3月16日火曜日

奇妙な階段だった

 


 ある地方都市の公園で階段を登ろうとした。その階段はステップの広い階段だったので、駆け上がった方が面倒ないと思い、勢いよく駆け上がって行った。
 所がその途中で爪先が段に突っかかり、結構スピードがあったので、脚を取られるようにして前に突っ込んで、バタンと両手をついてしまった。
 そこは砂混じりのざらついたコンクリートの上だったので、多少擦り剥いて両掌に血が滲んだ。

 「クソッ」と、ちょっと思った。脚が上がらなかったのか。普通、どんな人間でも計算せずとも目視で最初に高さを確認するだけで、後は自然と頭で上げる足の高さを自動的に一定にして、足元を見なくても駆け上がれる事になっている。

 脚が疲れて上がらない程のそんなに長い階段じゃない。ならば頭での自動計算が違ったのか、頭の衰えか欠陥か。それはまずいなと思った。しかしそんな自覚はないし、割と自信はあったから、原因を探ろうと思い、突っ掛かったところの手前から段の高さを観察した所、なんと驚く事に突っ掛かった所だけ、本当にそこだけ高くなっていたのだった。

 自分の上げる足の高さは正確に一定だったのだ。まだ頭のどこかはいかれてないとホットした次第だった。