2014年6月28日土曜日

さいたま市の大宮区庁舎建て替えが頓挫か





【ややこしくなって来た大宮区役所建て替え計画】


 さいたま市は老朽化して耐震診断で危険と判定された大宮区役所の建て替え工事を計画しているが、移転先になる県合同庁舎の用地交換などがまだ進まず、計画は不透明なままだ。

 市と県の職員レベルでは基本協定書が出来ていたようだが、県議会の同意が得られていないという。

 議会は、埼玉高速鉄道の浦和美園駅近くに誘致を進めている順天堂大学付属病や、赤字の鉄道をもう一駅延伸することへの協力を条件にしているとか。

 病院が誘致される予定地は、都市再生機構と民間で所有している浦和東部特定第二土地区画整理事業地内になる。この事業の保留地として生み出された約3ヘクタールを、市が買い取って病院に無償提供したり、建設費の一部を負担する条件のようだ。

 保留地は、土地区画整理事業を進める中で、それぞれの土地所有者から少しづつ土地を削ったものを一ケ所にまとめ、その土地を売って事業資金をねん出する目的で設けられている。
 この保留地の用地費がいくらになるのか、また病院の建設にいくら出すのかもハッキリしていない。

 例として挙げれば、病院建設には200億円くらいかかると見られ、県が100億円、市が50億円、病院が50億円の負担割合が一般的らしい。

 一方で、ここから4~5キロメートル西に「さいたま市民病院」があり、そこでも病院を建て替える計画が進められている。概算事業費は213億円。

 大宮区役所の建て替え計画では、老朽化したさいたま市民会館おおみやも、大門町2丁目中地区市街地再開発事業で建てられる複合ビルの中に移転する予定になっている。その移転の負担額など公共施設への整備費が増えて行く中で、余分な事業への予算化は市の財政をさらに圧迫することは間違いない。

 もし大宮区役所の県所有地への移転がムリな場合は、他を探す必要が出て来る。候補地としては旧中山道に接する大門町の再開発事業の複合ビルの中もその一つかもしれない。

 ここにはNHKさいたま放送局(さいたま市浦和区)が移転して来る予定になっていたが、会長が替わり、渋谷の放送センター建て替え工事に3,000億円の巨額の資金が必要になるので、移転中止になる話も出ている。
 そして現時点では、2名の地権者の同意がまだ得られていないという。

 また考え方としては、旧大宮市役所の議会棟だった建物や駐車場スペーもかなりあるので、現大宮区役所の建て替えだけを考えるのであったら、敷地内での建て替えは十分に可能だと思われる。


【まとめ】


 話がかなり入り組んでいるので、分かりやすくまとめてみるとこうだ。
 
 一、県合同庁舎と市民会館の跡地一体を区役所や図書館の入った複合施設として整備し、合同庁舎の一部は区役所別館跡地に移転する。

 一、市民会館は中央デパート跡地の再開発ビルの中に移る。

 一、大宮区役所跡地は再開発事業の種地として活用する。

 一、市が負担する費用は、

      ■ 大宮区役所の複合施設の建設費。

      ■ 県との用地交換の差額分として、約13億4,670万円を県に支払う。

      ■ 県の施設の移転費用と区役所別館の改修費。

      ■ 再開発ビルに入る市民会館部分の費用などがある。

 一、それに浦和美園地区の負担が加わると、

      ■ 誘致される病院の用地費用。

      ■ 病院建設費の一部。

      ■ 埼玉高速鉄道の延伸分の費用。

      ■ また、4~5キロメートル離れた市民病院の全面改築が決まっている。

 この総ての額を市が負担するとなると、財政は恐らくパンクの危険性が高まると思う。その付けは市民の税金に跳ね返り、議員の報酬も年間約1,300万円から月に十数万円にならないとも限らない。


 
 


2014年6月23日月曜日

東京オリンピック施設整備を大幅見直し、あと6年



 

【国立競技場の解体】


 日本スポーツ振興センターが発注する国立競技場の解体工事は、不調になったのち再び今月中に公示される。

  前回は3月24日に入札公告を出し、5月29日の開札では複数の業者が応札したが、いずれも予定価格(予算は67億円)を上回ってしまったか。

 今回は6月中に公告を出して、8月中の開札となるのだろうか?いずれにしろ7月の解体工事に着手する予定は遅れる事になる。

 前回の入札は発注者の予定価格がいくらで、入札者の応札価格がいくらだったかは公表されていない。分かっているのはA工区とB工区に分けたそれぞれの応札価格が、20億2,000万円以上だった事だけだ。

 合計すると40億4,000万円以上となり、予算の67億円にどれほど近かったのか、あるいはその金額を超えていたのかハッキリしない。

 そして今回は果たして、発注者がどのくらいの予定価格を出して来て、落札となるのかどうか。

 もし落札にならないと、着工時期は大幅に遅れ、また人手不足などから、さらに解体工事の完了する時期がずれ込むと考えられる。


【新国立競技場】


 さて新国立競技場の建設費であるが、当初は


      本体工事が      1,413億円+

      周辺整備工事が    372億円+

      現競技場解体工事が 67億円で、

                合計1,852億円だった。


 その後、自民党の無駄撲滅プロジェクトが予算規模の縮小を提言し、その結果1,692億円になった。
 どの辺の予算が減らされたのかというと、配置や規模を見直し、各所から少しづつ削ったようだ。

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 新国立競技場建設の概要は次の通り。

 本体規模は、鉄骨・一部鉄骨鉄筋コンクリート造6階地下2階建て、延べ面積は210,878㎡。

 各階の延べ床面積は、6階が3,397㎡、5階は12,518㎡、4階は26,099㎡、3階が15,790㎡、2階が29,877㎡、1階は39,230㎡、地下1階が24,627㎡、地下2階が59,340㎡となっている。


 建設費用は、


     新競技場建設工事が   1,388億円、

     現競技場解体工事に    67億円。



     周辺整備工事は、

       明治公園に        33億円、

       周辺人口地盤に    143億円、

       ブリッジ外苑西に    22億円、

       ブリッジ新宿通りに   19億円、

       インフラ移設は      15億円、

       サブトラ連絡通路に   4億円、

       明治公園撤去に     1億円で、

                 合計が237億円となっている。

 その他に、

     埋蔵文化財調査に    14億円、

     競技場設計管理に    91億円、

     JSC本部ビル移転に   174億円(JSC本部は28億円)で、

                合計が279億円となっている。

       これらを総合計すると1,971億円になる。



【その他の会場】


 また報道によると、東京都は2020年東京五輪・パラリンピックで予定されていたバスケットボールとバトミントンの会場建設を取り止め、さいたまスーパーアリーナなどへの変更も検討し始めたという。
 バトミントンは都が建設中の武蔵野森総合スポーツ施設(調布市)が会場になる見通し。


 これまではバスケットボールとバトミントンは、「夢の島ユース・プラザ」(江東区)と名付けられて計画された施設のアリーナAでバトミントン、アリーナBでバスケットボールが行われる予定だった。

 この建設整備費は364億円と見込んでいたが、建設費や土壌汚染の処理費用が多額になることや、近くにバレーボール会場の体育館があり、大会後の施設利用が十分見込めないために中止検討される事になった。

 
 またボート、カヌー(スプリント)の会場になる予定だった「海の森水上競技場」は、建設整備費を69億円と見込んでいたが、水門などの整備費が大幅に増える見込みになり、工法の変更か都内の別会場になる事が検討されている。

 さらには、カヌーの(スラローム)の会場が計画されている葛西臨海公園(江戸川区)は、希少生物の生息地になっているため、隣接する都有地へ変更になる方向だ。





2014年6月14日土曜日

さいたま市の「鉄道博物館」が来年夏から大増築へ




 さいたま市大宮区にある鉄道博物館が大幅に増築される予定です。

 区域面積が約49,350㎡で、ここに鉄骨造5階建て、延べ面積が36,500㎡規模の増築を計画しています。

 これは今ある建物よりも大きな規模で、かなりの増築です。

 着工は2015年8月の予定で、完成時期や施工業者は未定。

 同博物館は、2007年10月のオープンで、2013年6月時点で来館者は600万人を超えています。1年前が500万人だったので、単純計算するとほぼ年間に100万人となります。

 オープン以来相変わらずの人気を保っていると言えます。以前は交通博物館として長いこと東京の秋葉原にありました。
 それを旧大宮市が、同市にはJR大宮工場があり鉄道の街でもあることから誘致運動をして、大宮工場の隣接地に建設されることになったのです。

 ちょっと博物館の中を覗いてみましょう。




 これは大宮工場の前に展示してあるD51の機関車です。





 上越線の松川トンネルで、まさに「雪国」の世界とあります。




                                   ステンドグラスです。




 蒸気機関車が汽笛を鳴らしながら、グルリとゆっくり回転します。





 蒸気機関車の内部の構造が見えるようになっています。















2014年6月2日月曜日

与野から浦和にかけての開発ラッシュ最新版1






より大きな地図で 与野から浦和にかけての開発ラッシュ改訂版 を表示


注意:上の地図中の場所落としの作業は、まだすべてを載せ切れていませんのでご了承ください。

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【病院】


■ さいたま市立病院全面建て替え計画・・・さいたま市緑区三室2460

 建て替えの方法としては、高等看護学院を病院の敷地内の他の場所に予め移転し、また工事中の駐車場確保のため、事前に立体駐車場を建設する。

 サービス棟等を解体し、新棟建設地を確保した後、新棟を建設する。

 新棟へ既存機能を総て移転した後、西病棟・東病棟・さくらそう病棟を解体する。

 また周産期センター棟は新棟から離れた位置になるが、他の病院機能として引き続き利用する方向で検討する。

   概算事業費は次の通り(医療機器等の整備費は含まず)。

   建築事業費総額  181億円

   内訳は
   新築工事が166億円、
   解体工事が5億円、
   外構工事が5億円、
   設計費が5億円

 この他に医療器機等整備費が32億円。

 合計で213億円となっている。


 現時点での予定病床数の637床を前提に、建築計画及び事業費を試算した所によれば、

 A 1床あたりの床面積は83㎡。

 B 1㎡あたりの建築単価は、新築で30万円、改修だと21万円。

 今回採用した全面建て替えの配置計画は、総て免震構造になり、600台程度の立体駐車場となる。

 工期は、概ね34ヶ月。
 
 事業スケジュールは病院が2014年から2018年、高等看護学院が2014年から2016年でそれぞれ設計・施工の予定。



 埼玉社会保険病院耐震整備工事・・・さいたま市浦和区北浦和4‐8‐4他

 規模は、鉄骨・一部鉄筋コンクリート造8階地下1階建て、延べ面積が約21,977㎡。

 工期は2011年12月から2015年2月まで。

 施工は清水建設(株)。


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【再開発】


 浦和駅西口南高砂地区再開発事業・・・計画地はJR浦和駅西口の浦和区高砂1~2丁目の各一部で1.8ヘクタールの場所。

 「浦和駅西口南地区高砂市街地再開発組合」の設立と事業計画が認可されている。今後は権利変換手続きなどに2年間程度を見込み、2015年度末以降の着工、2018年度末の完成か。


 規模は鉄筋コンクリート・鉄骨鉄筋コンクリート・鉄骨造27階地下3階建て(塔屋2階)、延べ面積は約99,731㎡。

 内容は地下1~地上4階までが商業・業務施設で、5~27階までが住宅になっている。また地上4階と5階の間に免震層を設置する。

 戸数は521戸(2~4LDK)。地下駐車場は645台で、駐輪場が1,404台を収容できる。

 総事業費は442億4,242万円で、そのうち施工工事費は272億3,400万円。

 参加組合員予定は野村不動産、三菱地所レジデンス、大和ハウス工業で、事業協力予定者は大成建設(株)、戸田建設(株)。


 ■ 武蔵浦和駅第3街区第一種市街地再開発事業・・・さいたま市南区沼影1丁目、白幡5丁目の各一部

 共同住宅・事務所・店舗などが入る予定。

 規模は鉄筋コンクリート・鉄骨鉄筋コンクリート・鉄骨造32階地下1階建て、延べ面積は95,510㎡。住宅戸数は776戸。

 工期は2012年1月から2014年6月までの予定?

 施工は清水建設(株)。


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【学校】


■ (仮称)浦和ルーテル学院美園移転新築工事・・・さいたま市緑区大字大崎字浅間入3632-1他

 規模は鉄筋コンクリート・鉄骨造4階地下1階建て、延べ面積は約12,595㎡。

 工期は2013年1月から2014年7月までの予定。

 施工は戸田・松永共同企業体。


 小松原高等学校移転新築工事・・・さいたま市南区南浦和3‐21‐8から越谷市川柳6丁目の越谷レイクタウン駅から徒歩5分の場所に移る。

 2015年4月が移転日で、現在は工事中。

 移転理由は施設の老朽化が進んだり、監督官庁等より校舎の耐震対策が求められたため。移転と同時に学科コースの再編、校名変更、共学化も予定。


■ (仮称)浦和明の星女子中学・高等学校E棟新築工事・・・さいたま市緑区東浦和6‐4‐5他
 
 規模は鉄筋コンクリート造4階地下1階建て、延べ面積は約6,170㎡。

 工期は2014年6月から2015年2月まで。

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