2014年1月5日日曜日

病院の建設ラッシュが止まらない



 各地で老朽化した病院の建物が、一斉に建て替えられているかのような建設ラッシュが起きている。首都圏を中心にできる限り調べてみた。


【埼玉県】
■ さいたま赤十字病院(さいたま市中央区)移転新築工事・・・施設の老朽化と狭隘のため、JRさいたま新都心駅近くへ新築移転される。
新病院の規模は一部鉄筋コンクリートの鉄骨造14階建て(地下2階、塔屋3階)、延べ面積は約61,425㎡の免震構造。デッキ下立体駐車場は鉄筋コンクリート造3階建て地下1階、延べ面積は8,518㎡の耐震構造。外構工事は施工面積約5,345㎡。工期は2014年2月~2016年3月31日までの予定。
入札の結果、大成・田中JVが206億9,000万円で落札した。病床数は632床か。


■ 埼玉県立小児医療センター(さいたま市岩槻区馬込)移転新築工事・・・さいたま新都心駅近くに日赤病院と隣接して建設される。9月に入札が不調になった「埼玉県立小児医療センター新病院建設工事」の落札業者は、清水建設株式会社関東支店に決定した(2013.12.27)。
規模は鉄骨造一部鉄筋コンクリート造13階建てで地下は2階、延べ面積は約68,100㎡。病床数は316床で、駐車場は335台。


■ 社会保険大宮総合病院(さいたま市北区盆栽町)新築移転工事・・・老朽化が著しく耐震改修が求められていて、その存続が不安視されていたが、約800m離れた北区役所に隣接した市有地(宮原町)に移転建て替えされる事になった。
建設用地は市有地(約14,000㎡)と病院敷地(約10,000㎡)を交換した。


 埼玉社会保険病院改築工事(さいたま市浦和区北浦和4‐9‐3)・・・JR北浦和駅西口の国道17号沿いにある埼玉社会保険病院は老朽化した病棟(築40年以上)の改築工事を進めている。
既存の南館は耐震化改築工事が終わっているため、北側を中心に残った建物の工事が行われている。
南館は延べ面積が9,680㎡あり、それと合わせて総ての建物が改築されると全体が31,588㎡になる。全体の延べ面積は以前とほぼ同じだが、病床数が439床から395床へと約10%縮小される。
建物の高さは6階建てが8階建てになったりするので、その分駐車場が増える。
工期は2015年2月までの予定。
建て替え工事の計画は大分以前からあったと言うが、東日本大震災後に新しい国の耐震化基準ができ、補助金も出る事になったので、その分10%の病床数がカットされる事になったが、建て替え時期が早まったという。


■ 上尾中央総合病院B棟新築工事(埼玉県上尾市柏座1‐667‐2他)・・・規模は13階建て、延べ床面積は28,800㎡。工期は2012年2月から2016年4月まで。施工は大成建設(株)。


■ 東大宮総合病院(仮称)新築移転・・・大成建設の設計・施工で2015年の春をメドにJR宇都宮線土呂駅から徒歩10分の場所に新築移転する予定。規模は鉄筋コンクリート6階建て、延べ面積23,218㎡。


■ 吉川中央総合病院B棟改築工事・・・2014年秋に改築棟(B棟)が完成予定。規模は延べ面積が2,094㎡。


 八潮中央総合病院(八潮市緑長1‐41‐3)新築移転・・・移転先は八潮南部東土地区画整理地内。設計・施工は清水建設。2013年に着工し、2015年度の完成予定。工期は20ヶ月。


■ 羽生総合病院新築移転計画(羽生市)・・・建物や設備の老朽化が著しいために、長年に渡り移転する土地を探していた。現在の土地は羽生市より無償提供されている。市は移転候補地を示したが、病院側はイオンモール西側の駐車場の場所が最適と判断し、交渉を続けているが、土地の所有者の県企業局と借地人であるイオンの了承が取れていない。
病院としては、土地取得に数年、用途転用と整地に2年、病院建設に2年で合計8~10年かかるが、イオン西側の駐車場であれば3年以内に病院が建設できるという。


■ 戸田中央総合病院の新棟増築工事・・・2013年にオープン予定。規模は4階建て地下1階、延べ面積は約4,300㎡。病棟機能や「栄養科・厨房」、「薬剤科」が移設される。特別養護老人ホーム「とだ優和の杜」は2014年3月にオープン予定。「特養」が130床、ショートステイが20床。


■ TMG宗岡中央病院(もと志木市立市民病院)・・・2015年7月に新病院完成予定。


【千葉県】
■ 松戸市市立病院新築工事(千駄堀)・・・病床数は600床。規模は鉄筋コンクリート造9階建て塔屋1階で管理棟は3階建て、延べ面積47,000㎡。免震構造でヘリポートあり、駐車場493台。4年後の平成29年開業を目指して新しい病院を建てることになり、市はことし10月、事業費の上限を134億円と設定して設計から建設まで請け負う建設会社を公募した。が、応募した3社すべてが134億円の上限では請け負えないと辞退したという。従来のスケジュールでは2014年1月までに基本設計を終え、2014年2月から2015年2月までに実施設計を作成し、2015年3月着工し、2017年1月竣工の予定。


■ 行徳総合病院(市川市行徳駅前1‐12‐6)新築移転工事・・・建物が手狭になったため、病床数を199床から307床に増やし、医療機器も充実させる。現在は市川市加藤新田で建設工事中。規模は12階建て、延べ面積は22,494㎡。完成は2015年3月。


■ 千葉徳洲会病院(船橋市習志野台1‐27‐1)移転新築工事・・・船橋市高根台2丁目に移転する。規模は鉄骨造8階建て地下1階、延べ面積は43,246㎡。駐車場は307台。病床数は現在の304床から87床の増床が認められ、391床となる。2014年7月に移転する予定で、(株)大林組によって建築工事を進めている。


■ 成田富里徳洲会病院新設(富里市日吉台1‐1‐1)2015年8月に開設を予定している。規模は鉄骨・鉄筋コンクリート造9階建て地下1階。病床数は485床(院内老健200床を含む)。


■ (仮称)おゆみ中央病院(千葉市緑区おゆみ野南6‐49‐9)・・・2014年春の開設予定。規模は5階建てで、病床数は149床。


■ 季美の森リハビリテーション病院(大網白里市季美の森南1‐30‐1)・・・2014年春に開院予定。3階建てで、120床。


■ 柏厚生総合病院増築工事(柏市篠籠田617)・・・2014年6月のオープンを目指して病院西側駐車場に新館を建設する。病床は40床で、全部を合計すると318床になる。新館には病棟の他、健診センターの設立を計画している。また託児センターも児童数70人規模にリニューアルする。


【神奈川県】
■ 平塚市民病院・・・2006年2月の耐震診断の結果、1970年に建設された南棟について早急な建て替え等の必要性が指摘された。それを受けて市は、南棟の代替え施設の建設と築20年を経た北棟を含めた既存棟の改修などの整備を進めている。
スケジュールは2013年9月から既存棟地下部分解体及び土壌対策工事、12月に新棟基礎工事、2015年4月から新棟地上部分構造躯体工事にかかり、2015年9月に新棟完成予定。
建築は鹿島・匠JVで落札金額は45億8,850万円、電気は関電工・東光商会JVで落札額は13億1,250万円、機械は日立製作所で22億1,445万円。


 北里大学病院新病棟建築工事(神奈川県相模原市南区)・・・規模は鉄筋コンクリート造一部鉄骨14階建て地下1階、延べ面積は92,776㎡。免震構造でヘリポートがある。駐車場は855台。
スケジュールは新病棟の建築工事が2011年9月から2013年12月まで。既存棟改修工事が2014年6月から同年11月まで。救命救急棟改修工事が2014年6月から8月まで。東病院改修工事が2015年1月から4月まで。既存棟(病棟・外来棟・検査棟)解体工事が2015年1月から同年6月まで。外構整備が2015年5月から同年7月まで。


■ 海老名総合病院の増築(神奈川県海老名市河原口字相沢)・・・ 規模は6階建て、延べ面積は約14.500㎡。既存病院の西側駐車場に建設予定。高度救急医療対応など。


■ 厚木市立病院改築(厚木市水引1‐199他)・・・現在地で建て替える。2017年4月に開院予定。設計に2年、建設に5カ年。建設工事に125億円程度で、総事業費は170億円を見込む。


 伊勢原協同病院(伊勢原市桜台2‐17‐1)新築移転・・・鹿島建設(株)が施工し、2014年5月の竣工予定で建設が進められている。場所は同市田中字ク子花143‐2で、規模は鉄筋コンクリート7階建て、延べ面積は約29.546㎡。病床数は350床。駐車場が約400台。
市からの補助金は30億円を上限とし、その交付は本格着工から20年間の分割交付となる。

■ 横浜南共済病院(横浜市金沢区六浦東1‐21‐1)・・・国家公務員共済組合連合会の病院で、2011年2月に始まった新棟の第一期工事も済んで、2013年2月にオープンした。第二期工事の工期は2013年6月から2016年5月までの予定。

■ 座間総合病院新築工事病院棟(座間市キャンプ座間一部返還跡地)・・・建築主は社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス。規模は鉄筋コンクリート・鉄骨造6階建て、延べ面積は約16,355㎡。施工は鹿島建設(株)で、2016年2月の竣工予定。



【東京都】
■ 虎ノ門病院新築移転計画(港区虎ノ門2丁目)・・・再開発に伴い、国立印刷局の本局と虎ノ門工場が滝野川に移り、そこに虎の門病院が新築移転され、もとの病院の場所には高層ビル(36階)が建てられる。規模は19階建て地下4階、延べ面積は約87.330㎡。免震構造。着工は2015年10月で、竣工は2018年9月の予定。


 武蔵野徳洲会病院新設(西東京市向台町3‐5‐48)・・・病床数210床(一般160床、療床50床)。規模は鉄骨・鉄筋コンクリート造6階建て地下1階、延べ面積は35,000㎡。小児科、リハビリテーションなど13科目。屋上にはヘリポート。2015年2月の完成予定。
昨年5月に隣接地に老人保健施設の「武蔵野徳洲苑」を開設し、ここが150床。


■ 慶應義塾大学新病院棟建設事業・・・2017年度を目指して建設。新病院棟(1号館)は信濃町キャンパス2号館の北側に建設予定。1号館と2号館の低層部各階は連絡通路で結ぶ。低層部は外科外来、腫瘍センター、バイスペックの中央手術部、放射線診断治療部門、内視鏡センターなどの中央診療施設他、一般集中治療室、分娩室を含む周期室・成長クラスター関連病棟など。


■ 日本医科大学付属病院改築(文京区千駄木1‐1‐5)・・・新病棟の規模は10階建て地下5階、延べ面積は約60,000㎡。病床数は594床。駐車場は177台。2011.6~2014.4に前期の新病棟(外来等)を竣工、2014.4~2015.4に第二期移転・解体、2015.4~2017.7に後期の新病棟(病棟等)を竣工、2018.2~2019.6に渡り廊下・駐車場・外構を竣工。


■ 東京医科大学西新宿キャンパス大学病院新築工事(新宿区西新宿6‐7‐1)・・・設計・施工は大林組で行われる。実施設計は2013年10月から2014年4月になり、新大学病院建設工事は2014年5月から2016年11月までの予定。


■ 駿河台日本大学病院(千代田区神田駿河台1‐6‐7)新築移転工事・・・2014年10月に移転を予定していて、日本大学病院と名称を変更する。規模は鉄筋コンクリート造11階建て地下2階、延べ面積は29.800㎡。病床数は320床。


 九段坂病院(千代田区九段南2‐1‐39)・・・国家公務員共済組合連合会は旧千代田区役所本庁舎跡地に高齢者総合サポートセンター・九段坂病院合築整備工事を建設するが、戸田建設に81億9,600万円で委託した。工期は2015年9月30日まで。
規模は鉄筋コンクリート造14階建て地下2階、延べ面積は25,482㎡。免震構造。建設地は千代田区九段南1‐5‐2。


■ 高島平中央総合病院(板橋区高島平1‐69‐8)移転新築工事・・・同区高島平1‐73‐1の場所に新築して、移転する。工期は2012.11~2014.秋。規模は10階建て地下1階、延べ面積は約11,646㎡。病床数は230床(急性期一般210床、亜急性期20床)。


 浅草病院(台東区東浅草1‐10‐12)・・・移転新築し、2016年5月に開院予定。移転先住所は台東区今戸。規模は8階建て地下1階で、免震構造。病床数は136床。現在は設計の段階。


■ 東葛病院・・・つくばEXの流山セントラルパーク駅前に新築移転する。規模は鉄筋コンクリート造、延べ面積が25,700㎡。336床(一般330、療養病床36)、104床が個室。駐車場は700台。2013年に着工し、2015年10月の竣工予定。


■ 日野市民病院改修計画(東京都日野市多摩平4‐3‐1)・・・3階建てを増築+地下600㎡+新棟。必要投資額は約12億円~(建築費約10.7億円~+設備費約2億円~)。工期は2013年~2014年頃。


■ 都立墨東病院増築及び改修工事(東京都墨田区江東橋4‐41)・・・規模は鉄骨鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)13階建て地下2階、延べ面積は約13,383㎡。工期は2012年3月から2014年まで。その他、病棟・診療棟の改修工事が2014年から2015年まで。


■ (仮称)昭和大学江東豊洲病院(東京都江東区豊洲5‐1)・・・2014年に開院予定。規模は10階建て地下1階、延べ面積は約46,000㎡。病床数は414床で、駐車場は162台。


■ 東京都済生会中央病院新主棟建設工事(東京都港区三田1-101-11)
鉄骨造14階地下1階建て、延べ面積は約30,274㎡。設計・施工は鹿島建設(株)。工期は2015年2月から2018年2月までの予定。



【栃木県】
■ (仮称)とちぎメディカルセンター第一病院新設(栃木市大平町川連・牛久地内)・・・下都賀郡市医師会病院、とちの木病院、下都賀総合病院が統合再編され、新しい病院が建設される。
規模は鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート造7階建て、延べ面積は約25.000㎡。病床数は307床。工期は2014年3月から2016年1月まで。優先交渉事業者は清水建設(株)。
この他に第二病院を栃木市大町39‐5に建設する。こちらは回復期・慢性医療センターで、250床(回復期リハビリテーション病床・緩和ケア病床・療養病床・一般病床)。また総合保健医療支援センターを栃木市境町27‐21に建設する。内容は総合健診センター・検診のための検査室・在宅ケア支援センターとなり、併設で介護老人保健施設が造られる。


■ 上都賀総合病院改築工事(鹿沼市下田町1‐1033)・・・2015年春の完成を目指して工事を進めている。一期工事は2011年3月から2013年4月まで。二期工事が2013年5月から2014年9月まで。規模は7階建て、延べ面積は約25.000㎡。病床数は352床。


 小山市民病院移転新築(栃木県小山市神鳥谷)・・・2013年度に着工し、2015年度に開院予定。延べ面積は25,000~30,000㎡。北棟は1970年に建設されていて、狭隘で老朽化も進み、耐震基準を満たさなかったので建て替えることになった。
施設整備費用は基本・実施設計に1億8,000万円(45億円×4%)、建設費用は45億円(1,500万円×300床)、医療機器備品13億5,000万円(450万円×300床)など。総整備費用は68億2,000万円。


■ (独)国立病院機構栃木医療センター(宇都宮市中戸祭1‐10‐37)・・・新病院を建設する。2014年の秋頃に完成予定。規模は病棟が7階建てで、手術棟が2階建て。その後に外来棟を建設する計画。




【茨城県】
■ 筑西市と桜川市との話し合いによって、両市の中核となる病院の建設地が筑西市養蚕地区に決まった。新中核病院が国の特例交付金25億円を受けるには、病院数を再編前より減らすことが条件になる。しかし桜川市は県西総合病院の規模が大幅縮小されることに中々納得できない。県では県西総合病院を病院として存続させた場合、25億円の補助金は受け取れないとの見方をしている。


■ 総合病院土浦協同病院(土浦市真鍋新町11‐7)・・・茨城県厚生農業協同組合連合会の病院で、2015年には場所を土浦市おおつ野4‐1に移転して新病院を開設する。
規模は10階建ての免震構造とエネルギー棟が4階建ての耐震構造で、延べ面積は82,700㎡。病床数は800床(急性期病床)。駐車場500~2,000台。ヘリポートあり。付属施設は看護専門学校、保育所等。総事業費は298億円(土地含む)。工期は2013年3月から2015年6月まで。


■ 北茨城市立総合病院移転新築工事・・・旧北茨城高校跡地に建設される。規模は鉄筋コンクリート一部プレストレスト造5階建て、延べ面積は13.783㎡。病床数は183床。2014年度に開院予定。


■ 日立総合病院(日立市城南町2‐1‐1)・・・本館棟の建設は2013年度内に着工し、2015年度に竣工を予定している。規模は鉄筋コンクリート造10階建て地下2階、延べ面積は27.000㎡。ヘリポートがあり、免震構造となっていて、自家発電装置を備えている。病床数は320床。



【群馬県】
■ (独)国立病院機構西群馬病院と市立渋川総合病院との再編で渋川市白井に土地を取得し、新病院を建設する。規模は450床。総事業費は約130億円。用地造成工事は2013年7月から10月まで、本体工事は2013年11月から2015年3月まで。

■ 利根中央病院(沼田市東原新町1855‐1)新築移転・・・新病院を建設中の場所は、沼田市沼須町下河原910‐1。清水建設(株)の施工で2013年11月に着工し、2015年7月に竣工の予定。病床は282床で、回復期リハビリ病床を開設する。


※(注意)資料が最新でない場合があり、数字などの詳細な部分は正確ではない事があります。

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