2017年10月7日土曜日

各地の市民会館・市民ホールの計画と比較

【再開発と一体整備する市民ホール】


■ 市民会館おおみや(さいたま市) 総額316億円 (保留床購入費+内装・設備+従前に取得した用地) 延べ床面積15,500㎡ 大ホール約1,400席 小ホール340席 音楽スタジオ 多目的室な 
 再開発の総事業費は661億円(国費81億円+市費79億円+保留床処分金501億円) 延べ床面積約81,600㎡ 商業施設、業務施設、公共公益施設、駐車場など 解体工事には8月頃から着手し、12月頃に終える予定
再開発には市の税金が316億円(市民会館)+79億円(補助金)で合計395億円が投入される。

■ 熊本ホール(熊本市) 概算事業費は約298億円(保留床購入費約283億円・備品等は15億円) 合計約30,000㎡で、概ね4層で構成されている。メインホール約2,300席 多目的ホール750席 会議室 イベント・展示ホールなど
 熊本桜町再開発の事業費は約699億8,000万円 既存のバスターミナル、商業施設、事務所、立体駐車場等を解体し、(仮称)熊本城ホールやバスターミナル、商業施設、シネコン、ホテル、共同住宅などを含む複合施設を整備する。地上14階の地下1階で、延べ面積は160,330㎡。工期は2017年1月~2019年夏 
 
■ 新市民会館(水戸市) 概算事業費は192億円 延べ床面積19,130㎡ 大ホール2,000人 多機能ホール500人 展示ホール(500㎡程度)300人 会議室900人 
 泉町1丁目北地区再開発の事業費は約285億円 市民会館を含む全体の再開発ビルは地下1階地上4階建て、延べ床面積は21,630㎡。内訳は新市民会館が19,139㎡、商業施設が1,000㎡、駐車スペースは1,500㎡
2017年度に設計を終わらせ、2018年度の着工(解体・整地を含む)。工事は2020年度で終わらせ、開館は2021年度の予定。

■ 仙台音楽ホール(仙台市) 建設費150億円~337億円 大ホール2,000席。大ホール機能を音楽専用型と多機能型とオペラ劇場型の3パターンから選ぶ。ホール数を大ホールのみか大・小ホールか大・中・小ホールにするか検討中。開館:不明 仙台経済同友会が中心となってインターネットで建設の資金を募っている。

■ ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市) 事業費 約200億円(ホール分) 延べ床面積17,244㎡(ホール部分) 大ホール1,997席 楽屋12室 市民交流室(可動席150席) 研修室4室 練習室3室 会議室3室 企画展示室 開館は2004年7

 再開発全体の総事業費は724億5,800万円。延べ床面積 114,600㎡(再開発全体) 県・市・施工主の都市基盤整備公団が各1/3負担で、国から県と市の負担金に1/6ずつ補助金が出る。

■ 岡山市の市民会館 建設費:146億円(税込) 保留床取得額165億円(税込) 舞台設備や備品は含まれない。延べ面積18,875㎡ 68.9万円/㎡(税抜) 大ホール1,700席程度 中ホール800席程度 大スタジオ 大中小練習室など 2019年に着工し、2022年に開館の見通し。
 千日前地区再開発事業(北区表町)は地下2階地上17階のビルと地下2階地上4階の市民会館からなり、全体の延べ面積は約37,000㎡。

■ (仮称)市民交流複合施設(札幌市) 延べ面積約36,000㎡ 2013年の想定事業費:約270億円(市費約257億円、国の交付金約13億円) ホール約2,300席 楽屋 練習室 図書館 アートセンターなど 
 札幌創世1.1.1区北1西1地区再開発事業は総事業費が約780億円で、総工費は662億円 延べ床面積が約132,000㎡で、業務や公共公益施設や駐車場で占められる。本事業ではホールや図書館やアートセンターからなる市民交流複合施設や駐輪場に加え、民間施設の事務所や放送局や駐車場を整備する。地上28階地下5階の高層棟(事務所、放送局)と低層棟(ホール、アートセンター、図書館など) 2018年春に竣工

■ 八王子市民会館(オリンパスホール八王子)(東京都) 事業費:約123億円 延べ面積約10,326㎡(劇場専有部) ホール2,021席(固定席1,877席、立見席144席) 楽屋10 リハーサル室1 
 再開発全体の事業費は約389億円。再開発ビルは地下2階の地上41階で、ホールは地上10階の低層棟になる。延べ床面積約99,800㎡ 主な用途は店舗・住宅(390戸)・業務・公共公益施設・駐車場など。開館:2011年4月



【それ以外の市民会館・ホール】


■ 福岡市の市民会館 全体事業費:約200億円(本体建設費は約160億円で、設計・外構・公園整備・解体・備品購入等を含めた額)  延べ床面積19,600㎡ 大ホール約2,000席 中ホール約800席 交流ホール PFI方式 開館:2023年

■ 石巻市複合文化施設(博物館との複合) 概算事業費約100億円 延べ床面積13,280㎡ 大ホール1,300席 サブホール300席 研修室 練習室 創作室 市民ギャラリー 開館:2021年度

■ (仮称)高崎文化芸術センター(群馬県) 落札価格約221.7億円(2013年の施設建設費の概算では約160億円) 延べ床面積27,355㎡ 81.04万円/㎡ メインホール2,018席 メインスタジオ567席にスタンディング形式が約1,000名 小音楽ホール413席 スタジオ1~9など 工期は2016年~2019年 建築・各設備・舞台機構を一括発注し、221億7,000万円で竹中・東鉄・佐田JVが落札。

■ 堺市民芸術文化ホール 総工費約140億(2016年4月14日に実施された堺市民芸術文化ホール建設工事の入札では87億6,900万円の落札金額だった) 延べ床面積19,650㎡ 710,659円/㎡ 大ホール2,000席 サブホール312席 大スタジオ 小スタジオ 多目的室 文化交流室 開館:2018年度

■ 秋田県・秋田市共同ホール(県と市で共同で整備) 概算事業費約200億円 延べ床面積22,500㎡ 大ホール(県)2,000席 サブホール(市)800席 リハーサル室 練習室 創作室 研修室 多目的スペース 開館:2020年度

■ 蕨市の庁舎と市民会館の複合施設計画 概算事業費約99億8,000万円(内訳は複合施設建設約75億4,000万円<58万円/㎡>・舞台設備約6億9,000万円・市民会館解体約7億円・設計監理委託約6億1,000万円・移転<庁舎→複合施設>約2,000万円・庁舎解体約4億2,000万円)

■ 高槻市立市民会館(大阪府高槻市) 概算建設費約90億円(本体工事約84億円、備品費約6億円)別途に外構など 延べ面積約12,000㎡ 大ホール約1,500席 小ホール200~250席 スタジオ(大2、中3、小6) エントランスロビー インフォメーション カフェ 情報コーナーなど 設計は2016~2018年 建設は2019~2020年

■ 鶴岡市文化会館 2014年9月に78億9,000万円(本体工事費)で落札 延べ床面積8,066㎡ 97.82万円/㎡ ホール1,168席 多目的ホール 練習室 楽屋など 開館:2017年9月

■ 四国中央市市民文化ホール 落札価格48億200万円 延べ床面積5,986㎡ 80.21万円/㎡ 建築工事は2016~2019年

■ 相生市文化会館(兵庫県) 30億1,700万円 延べ床面積5,660㎡ 49.36万円/㎡ 中ホール606席 小ホール スタジオ 会議室 開館:2016年

■ 滝沢文化交流拠点複合施設(岩手県) 30億2,000万円 延べ床面積6,356㎡(図書館1,200㎡を含む) 47.51万円/㎡ 開館:2017年

■ 小田原市芸術文化創造センター(神奈川県小田原市) 建設費73億円 延べ床面積約10,142㎡ 大ホール1,171席 小ホール315席 大・中・小のスタジオ ギャラリー   設計は2018年で2019年に着工予定

■ 安来市民会館(島根県) 建設費50億6,200万円 延べ床面積7,502㎡ 67.48万円/㎡ 1,008席 300席 展示室 練習室 会議室 開館:2017年度

■ 川崎市スポーツ・文化センター 開業から10年間の指定管理料を含めた総事業費は183億円(PFI方式) 延べ床面積約26,026㎡ ホール2013席(クラッシック・オペラ) 大体育館1544席 バスケット バレー 弓道場 武道場 2017年10月オープン

■ (仮称)津市久居ホール 整備費47億7,300万円 2017年着工

■ 長野市芸術館(本庁舎との複合施設) 建設費:約85億円 延べ床面積12,482㎡ 大ホール1,292席 サブホール293席 リハーサル室 練習室 開館:2016年5月

■ 豊中市立文化芸術センター 建設費:約92億円 延べ床面積13,425㎡ 大ホール1,292席 サブホール202席 展示室 多目的室 練習室 開館:2016年10月

■ 観音寺市新市民会館 建設費約59.2億円 延べ床面積8,685㎡ 681,174円/㎡ 大ホール1,200席 小ホール334席 会議室 スタジオ 多目的ホール 開館:2017年4月

■ 新太田市民会館(群馬県) 総工費67(建設費60.9億円) 延べ床面積8,485㎡ 71.76万円/㎡ 大ホール1,501席 会議室 スタジオ 多目的室 開館:2016年度

■ 南陽市新文化会館(山形県) 建築・機械25億7,688万円 電気設備3億1,479万円 木構造材製作12億750万円 ②木材調達1億1,521万円 木質バイオマスボイラー製作5,859万円 延べ床面積約5,852㎡ 大ホール1,300席 中ホール500席 展示ギャラリー 稽古場 練習室 会議室 52.15万円/㎡ 開館:2015年

■ いわき芸術文化交流館アリオス 約116億円 延べ床面積27,556㎡ 大ホール1,705~1,840席 楽屋10 中劇場687席 楽屋7席 音楽小ホール 200席 楽屋2 小劇場233席 楽屋4 リハーサル室2 スタジオ(バンド)4 練習室(合唱・クラシック)6 稽古場(演劇・ダンス)4 ギャラリー レストラン ショップ 開館:2009年5月

■ 札幌市民ホール(PPPリース方式) 建設費約18億5,000万円 延べ床面積約6,000㎡ 大ホール1,500席+車いす16席 開館:2008年度

大宮駅東口大門町2丁目の再開発は解体工事に着手

 大宮駅東口大門町2丁目中地区の再開発事業は解体工事に着手し、今年度中にはそれを終える予定です。完成するのは2021年の見通しです。設計は基本計画段階から山下設計が担当しています。

再開発ビルの全体図

【事前に用地取得】
 敷地面積は約9,180㎡あり、このうちさいたま市の土地は2000年に2409.4㎡、2002年に354.79㎡を、その後旧中山道沿いの群馬銀行の土地656.84㎡を約10.5億円で取得しました。この時は1㎡あたり160万円でした。合計すると約3,423㎡になります。取得した土地の合計は約46億円と評価され、この分の再開発ビルの床を取得できます。

【事業費と補助金】
  2015年に都市経営戦略会議で概要が示されました。この段階で再開発の総事業費は661億円となっています。現在では620億円に削減されています。その分、総事業費の内訳も変わってきます。661億円の時には市費79億円や国費81億円の補助金が出ていました。また18階建ての再開発ビル建設で生まれた床を売って得る501億円も、多少数字が変化してきます。

【再開発ビルの中身】
 建物にどんな施設が入るかというと、市民会館などの公共施設や事務所や店舗や駐車場となっています。

  延べ面積は約81,600㎡で、内訳は権利者が所有する店舗・業務(1~5階)が15,700㎡、三井不動産が販売する業務(9~18階)は19700㎡、大栄不動産が販売する店舗(1~3階)は6,800㎡、大ホールなどの公共施設(4~9階)は20,000㎡、駐車場等は19,400㎡となっています。

【市民会館の規模など】
 公共施設は大ホール(1400席)、小ホールか(350席)、多目的室(リハーサル室)、レクリエーション室、楽屋、会議室、展示室、音楽スタジオ、和室、事務室などです。
 ホール等の公共施設の取得価格は312億円で当初と比べて4億円安くなっています。その内訳は市民会館等の床を買い取る保留床取得額が229億円、市が敷地内に以前に取得していた土地の資産額が46億円、舞台機構・照明・音響・座席などが37億円です。

 床面積が1㎡あたりの価格は約204万円です。再開発全体ですと、1㎡あたりの価格は平均すると約76万円になります。ホールなどの公共施設部分の床は、他より約2.7倍する価格になります。

2017年5月29日月曜日

大宮区役所(さいたま市)の移転新築工事は7月に着工

 さいたま市では、老朽化した大宮区役所を建て替えるための実施設計を行っている。建設予定地の県合同庁舎の解体工事が6月頃までかかるため、7月の着工を目ざしている。新庁舎の供用開始は2019年5月の見通し。
 事業費は197億5,000万円で、内訳は設計と建設に105億円、維持・管理費に92億円。維持管理や運営は約20年間の契約となる。
 事業を一括で請け負ったのはクロスポイント(株)で、大成建設を軸にして東京ビジネスサービス・流通サービス・小学館集英社プロダクション・佐伯工務店・毎日興業で構成されている。
 【建設・解体】大成建設、佐伯工務店、柏木建設
 【設計】久米設計、シーラカンス、大成建設、コクヨマーケティング
 【維持管理】東京ビジネスサービス、毎日興業、アシマ

 建築概要は次の通り
 延べ床面積:約23,657㎡(駐車場等を含む)
 構造:鉄骨造一部コンクリート充填鋼管構造
 規模:地上6階地下1階
 用途:庁舎、図書館、駐車場
  
 追加:なお事業費は資材高騰などの諸事情により、途中変更されることもあるという。