2009年11月1日日曜日

改築中の東京中央郵便局



 改築前の古い建物はどうやら表の方だけ残して、その内側に高層ビルを建てる様だ。外観だけを見ると、日銀本店や東京駅の駅舎に比べて美しさという点では見劣りする印象はあるが、中の方が見所が多かったりする場合もあるので、外だけでの判断は控えたい。
 数日前に日本郵政の新しい社長が決まった。就任の記者会見だかで、「郵貯、簡保の資金の8割が国債を買っている現状だが、それらを中小企業の融資にも振り向けたい」という様な主旨の事を言っていた。

 郵貯と簡保を合わせると約300兆円になるという。この8割が国債の購入に振り向けられているという事は、約240兆円が使われている。
 国民が民間の銀行等に預けている現金の多くも国債の購入に向けられている。国は国民が郵貯や銀行などに預けた現金を引き取って、代わりに国債を発行し、郵貯や銀行などに現金の担保として渡している。

 そして国は、国債の代わりに手にした現金を予算の中に組み込んで使っている。という事はもうお分かりでしょうが、国民が預けた現金は既に使われてしまってどこにものである。

 この国の国民はお金を貯めるのが趣味だから、貯蓄している金額と国が予算として使ってしまった借金の額つまり国債の累積残額がトントンならば、どうにか落ち着いてバランスを取って行けるみたいなんです。

 現在のデフレ傾向や円高基調は、今の所バランスが崩れずにぎりぎりで保たれている結果なのだろうか。

 財務大臣は先日、「為替介入はしない」と言った。そして、ここ何年かは介入はしていないという。

 こういう状況でなぜ円高になるのか分からないし、どうしてデフレ傾向かも分からないのだが…。たぶん誰かがどこかで必死になって調整しているのかも知れないが、これ以上借金が増えて行くとどこかでバランスは崩れる事が予想される。

 いま人々は口を開けば「内需、内需」と騒いでいるが、ついこの前までは「10年間だかに渡って内需拡大政策を実行したが、借金だけが残った」と言っていなかったっけ。

 う~ん、内需の中身が大事という事かなぁ。もっと観光の内需に力を入れたらいいと思うけど、こういう考えは少数派だろうか。