2010年4月26日月曜日

適正競争と過当競争

 とある東北地方の都市にあるデパートで、バーゲンセールの時期だったので、男性用の衣料品売り場へ行った。
 
 そしたら女性物は相当割引していたのに、男性衣料は余り割り引かれていなかった。

 それで店員の人に、どうしてなのかと聞いたら、女性の物には流行があるので、来年になるともう売れなくなってしまうからだという。
 それに比べて男性衣料の方には流行がないので、来年も売り場に出す事が出来るのために、割引はそれ程出来ないとの事だった。

 最近では、ショッピングモールへ行っても、駅ビルや駅近辺の商業ビルなどへ行っても、男性用の物はほとんど消えてしまい、若い女性の衣服だとか、アクセサリーや小物それに化粧品などばかりと言った感じが強い様な傾向が見られる。

 あれだけ多くがひしめき合って、良く店がやって行けるものだと感心してしまう。そんなに若い女性は使えるおカネを持っているのだろうか。

 恐らくその分野が儲かるという事になると、同じ様な店が次々と進出して来て、その内に供給過剰となり、持ちこたえられなくなったどこかが店を閉めて行く事になるのだろう。所謂ミニバブルといった現象が起こるのだと思われる。

 こうした事は、大型のショッピングセンター競争でも起こり得るし、近頃、都心の駅前で勃発している家電量販店のガチンコ戦争にしても、供給過剰になって消耗戦がその内始まる事になるだろう。

 こうした消耗戦の過程や結末は、そごうやダイエーなどで十二分に見て来たのだが、社会にとって決して良い結果はもたらさない様に思われる。
 
 何か税制のあり方やその他の法的規制のあり方が、もう少し改良の余地があるのではないかと思われるのだが。


 以下に、ミニバブル的な傾向を呈している、あるいは表しつつあると思われるものの例を取り上げてみた。
           
    ① 大規模なショッピングセンター

    ② 大型家電量販店

    ③ 若い女性用の衣料や小物類を販売する店舗

    ④ 犬や猫のペットブーム

    ⑤ 贅沢な博物館建物

    ⑥ バッハホールの様な贅沢豪華な建物

    ⑦ 地方空港  
   

 公共施設の場合は、隣の自治体やあそこで造ったから内でもといった様に、横並び意識で、借金を膨らませても造ってしまう事がある。
 民間の場合には、あそこに店を出したので、うちの客を奪われてしまいそうだから、こちらもその近くに出店するという事で、経営の健全化を失わせても資金の投入をしてしまったりする。

 つまり一定のルールの中での競争は社会に良い結果をもたらすが、これが過当競争になってしまうと、脚の引っ張り合いや消耗戦、潰し合いになってしまい、当事者いずれにもまた社会全体にも良い結果はもたらさなくなってしまい兼ねないので、何らかの対策が取られるべきだと思われる。