2009年12月27日日曜日

WBC(野球)決勝戦の球史に残るあの場面での新事実

 先日テレビを見ていたら、日本が優勝した野球のWBCで、決勝戦の対戦相手の韓国側に予想外の新事実が明らかになった。
 中々興味深いドキュメンタリーだったが、その前にあの試合がどういう試合だったかというと、稀に見る白熱した大接戦で、9回裏の最後の最後に追いつかれて、点数は3対3の同点、延長戦に入った10回表、ツーアウトでランナーが二塁三塁にいて、一塁ベースが空いている。バッターはイチロー。たぶんピッチャーは右のリリーフだったと思った。

 そこで野球を知っている人なら、ヒットが出れば二塁ランナーも返って来て2点入るので、ほぼ試合は決まる。だから、イチローを歩かせて、守り易い満塁にし、次の右バッターの中島と勝負すると誰もが思った。所が歩かせずに勝負し、ヒットを打たれ、日本チームが前回に続いて優勝という事になった。

 当然その時は、名将と呼ばれても何の不思議もない韓国チームの監督が下した采配で、彼の犯したほぼ唯一のミスではないかと思われたものだ。その理由としては、イチローが韓国チームに対して過去に「30年間立ち上がれない位にやっつける云々」とかの発言があり、韓国で一時騒ぎになったりした事もあって、ここでこれまで不振で、非難の的になり掛けているイチローをもし叩けば、逆に彼がこの先立ち上がれない位のショックを受ける事になるのはほぼ確実に思われたので、あの生意気なイチローを叩きたいという強烈な誘惑に支配されて、さすがに韓国の名将も判断を誤ったか、と思ったものだった。

 所が事実は違ったと言うのだ。監督は「歩かせろ」とピッチングコーチに指示を出した。しかし彼はその指示をピッチャ-に伝えず、握り潰してしまったと言うのだ。何故かと言うと、ピッチングコーチが過去にあの発言をしたイチローをどうしてもここで潰してやりたかったようで、監督の命令に従わなかったのだそうである。


 何はともあれ、野球史上に残る名場面であった事は疑いえない。首の皮一枚の所で英雄になったイチローの運の強さも印象に残った。