2010年5月26日水曜日

経営難に陥る地方の自治体病院

 都道府県や市町村の運営する自治体病院は7割以上が赤字経営だが、財政が厳しい地方の自治体では病院を支援する予算に余力がないという。

 地方の自治体病院は、出来るだけ立派な施設や器具を揃えて、田舎に来てくれる医者を増やそうとして、多大な借金を抱え込んだ所もある。
 都会に負けない様な立派な箱物や施設が整えれば、若者や医者は田舎に来てくれるに違いないと、目いっぱいの借金をし、音楽ホールやレジャー施設を造ったのは良いが、借金が大きすぎて今度は返せない事態に陥ったり、しそうになっている所があちこちに出て来た。

 貸す方にしても、返すのが難しそうな所だと思えば、貸し倒れを頭に入れて高めの利息を設定するから、返す方にしては一層苦しくなる。

 病院にしても、建設に際して地元の業者を使って地域の活性化を図ろうとするから、どうしてもコストが割高になってしまい、総事業費は分不相応な金額ものになってしまう。
 結果的に、その返済を医師たちが稼ぎださなければならない事になる。そうなれば患者を増やす必要に迫られるし、1人当たりの単価を上げなければならなくなる。

 医者の抱える負担が大きくなるという事だ。それが理由で、余り必要でもない薬を年老いた患者にどんどん出す医師も出て来るかも知れない。余り必要性がないのに、費用の高い検査を受けさせる様な事も起こり得るかも知れない。
 そういうノルマの様なものを課せられれば、医師にも不満が出て来て、辞めて行く者だって出て来るだろう。

 つまり人を引き付けるのにカネで呼ぼう、物で呼ぼうとしているという事になる。カネもないのに、借金してまで物至上主義に頼る。皆でそれぞれが自分で自分の首を絞める様な事をしてしまっているとしか思えない。
 多重債務者のど壺に嵌ってしまったとしか考えられない。カネが無いなら、無いなりに考えて行動するのが普通だと思う。
 例えば心からのもてなしをしたり、よそからやって来た人々を迎えてくれる人々やその土地が、人間味の温かい所で、また来たくなったり、あるいは住んでみたくなる様な所だと思わせるのが良いと思う。しかし実際には中々そうはならない、そうなれない何かの理由があるのだろうか。

 人々は何でも、物、物、物で洗脳されてしまっている。ハードの充実だけではなく、ソフトの面ももっと充実させようとすべきだと思う。

 物がどんどん蔓延って、溢れて行っても、反比例して心の内面が益々貧しくなって行けば、社会は崩壊の方向へと進むのだと思う。

 これからは物や外見ばかりではなく、内面も充実させて行くべきだと思う。またそうならなければ、薄っぺらで単純な内面を持つ人達が、高性能の危険なツールを持つ事にもなって仕舞い兼ねないのだから。
                                                                                              (テレビを見て)