2010年5月9日日曜日

普天間問題と安全保障(海兵隊と抑止力について)

 今は東西冷戦時代が終わって、それまでの軍事戦略が構造変化をしつつある現状だと言える。

 米・中・ソの政治トップ層同士の関係から判断すれば、互いの対立が昂じて戦争に陥る様な状態を招く可能性は極めて低いと思われる。

 しかしアジア諸国の一部などでも見られる様に、一番考えられ易い危険なパターンとしては軍事政権によるクーデターである。軍部の力が大きくなると、文民統制が効かなくなる事が起こり得て、軍部が政治家の言う事を聞かないで独自の行動を取ってしまう事態が考えられる。

 中国の軍事予算の増強やそれが使われる所の不透明さは、不安を生じる点である。つまり、政治のトップが指導力を持って予算をし切っているのか、それとも軍部の圧力に押されてしまっているのかと言う事でもある。

 軍部の権限が強まって、軍事行動を伴う様になると、自国の領土の外の地域を本来は自分達の物だったと宣言して占領しようとする。その時に軍事衝突が最も起こり易い状態が生まれて来る。
 そしてあっちが先に撃って来た、いやそっちだと言って交戦が広がる事になってしまい兼ねない。

 その領海を接している国が日本であれば、領土を占領されたと思った時に、自衛隊を出動させる事になろう。そうした中で、事態が深刻さを増せば軍事衝突が起こり得る。仮にそうなったときには、米軍の出動も起こる事態が考えられ、その時、いま話題になっている海兵隊が必要になって来る場合もあるのだと思う。

 政治家自身を考えるならば、戦争なんかになって経済が混乱したら大変な事になるから、戦争は避けるだろうと想像できても、軍部は経済の面から考える事は余りしないだろうから、経済混乱が軍事行動の抑止に直接繋がるとは考えない方が良いのかも知れない。

 一方、北朝鮮の方も不安定な材料が依然として燻っている。核開発の進展やトップの抑えの効かなくなった時の軍部の独自行動が懸念材料としてはある。
 100発以上のノドンミサイルが、日本国土に向けられているといった事実は、これに核弾頭を搭載すれば、・・・
 また核開発に伴って予測される核拡散は、裏ルートでテロリストの手に渡る可能性も出て来るので、核による大都市へのテロ攻撃も現実味を帯びて来るような事態を招く事が考えられる。


 昨今の龍馬ブーム、幕末ブームに照らして考えてみると、今の総理が徳川慶喜で、勝海舟が幹事長といったところだろうか。もしも米軍がいなかったら、どこかの国の圧倒的な軍事力を見せ付けられて、戦争を避ける方法を選択して無血開城といった所でしょうか。

 そういう意味で海兵隊を含めた米軍は、戦争抑止力になっていると言えるのではないでしょうか。