2010年1月26日火曜日

草むらに潜んでいた廃車の群れ


 
 枯草の中から僅かに姿を見せているのは、廃車の群れだ。
 茶色い枯草と錆びた廃車が同系色になって、
 目を凝らさないと中々総てが見えては来ない。


 その内に冬が過ぎて、若葉が出始める頃になると、緑の葉で覆われ始め、
 夏になる頃にはすっかり覆い尽くされてしまい、
 そこに廃車の群れがある事さえも忘れてしまう。


 しかし再び冬が来て、枯草の季節になると廃車の群れが顔を出して来る。
 そして何故か、増殖しているように思えるのである。