2010年1月10日日曜日

意図が読めない二人の財務大臣の発言だが、何となく分かるような

 昨年の11月だかに為替が1ドル84円になった時、当時の藤井財務大臣は円高容認で、「為替介入は致しません」とか言ったと思ったけど、それが年が明けたら財務大臣が交代して、こんどは「90円代半ばが適切だ」と言った。

 この所の為替は円安に推移して来ていた所なので、何で突然言い出したのか真意が掴めない。だったら、84円の時に言うべきだろうにと思う。つまりは、政権内部の意見の不一致なのか。ここでも総理大臣は機能してない訳か。やっちゃった後にああだこうだ言ってもなあ。ミサイルを撃ち込んだ後で、「僕は撃ち込むようには言ってません」と言っても、もう遅いって事もありますよ。

 つい何年か前は、トヨタがGMを抜いて世界一の販売台数を記録した、とか言ってたと思ったら、今度は中国がアメリカを抜いて、自動車の販売台数が世界一になったという。目まぐるしく世界が変わるのか、あるいはマスコミが前もって報道しないのか、それさえも分からない。

 たぶん輸出企業にしても、かなりの在庫を抱えているのではないかと想像できる。それの整理が付くまでは、中々生産を増やす事は出来ないだろう。また、赤字決算の前年が黒字の場合は、その年に支払った税金の還付を受ける事が出来るという。さらに、ドル安で円高の場合には、輸出品が割高になって不利に働くことは一般に言えるが、多くの大手企業は米国やその他の国にも工場を持っていたりもする。
 そのうえ材料は円高ならば安く手に入る訳で、その分コストが下がり、原材料を手に入れる国のレートがどうかはあるが、円高が丸々不利になるかというとそうとも言えない面がある。だから軽々にどうのこうの言うべきではないというのは正しい考えだと思う。

 巷では需給ギャップが35兆円あるとか騒いでいる。物を作り出さないと、従業員は生活して行けない。しかし物はみんなに行き渡ればある程度落ち着いて伸びは止まる。
 作り過ぎ、そしてカネ余り。この場合のカネは、輪転機でどんどん刷って、安い金利で市場に流れだすカネだ。このカネがまたどこかでバブルを作り出す。


 思い起こせば、リーマンショック後に、「日本には大して影響はない。蚊に刺された程度だ」といっていたが、その内、「日本は数字で見ると、もはや内需主導型国家と見るべきで、外需の比率はそう高くはない。いまだに外需主導と思ってる人は、経済を知らない人だ」という論調に変わった。その後に、外需の影響が思ったより大きいと分かって来ると、「外需に頼っていたのが悪いんだ。これからはもっと内需に力を注がなければダメだ。一にも内需、二にも内需」と誰もが一斉に内需振興を叫び出した。

 現時点ではどうなっているかと言うと、内需を活発にする事は必要だが、それだけではなく、外需によって税収を確保する事は重要という訳で、両方ともに活性化を計って行こう、という事らしい。

 つまり砕いた言い方をすると、こうなのだろうか。民主党だから、社会主義に近い人が多いので、内需を盛んにし、自給率を上げ、自給自足に近づけようとしたが、とても無理と分かり、やっぱり輸出産業で外貨を獲得し、税収をアップさせないとやっていけないという結論になったのだろうか。

 何はともあれ、内需と外需をともに活発化させ、為替を安定させる所に落ち着けば、それがベストなんじゃないかと思う。