2009年8月25日火曜日

上野駅東北線ホーム


 北国と東京を結ぶ東北本線の終着駅となる上野駅。かつては多くの集団就職の学生達が、地方から出て来て最初に降り立った駅だ。そこに建つ啄木の歌碑。彼もまたこの東京に出て来て、小説家として成功を収めたいと願うものの、挫折を重ね、一方で家族を養って行かねばならず、貧しさと失望と葛藤と様々な悩みを抱えて、失意の内に26歳の若さで病死した。

 そうした状況下での心境を綴った歌集「一握の砂」の中の一節が刻まれている。大都会の中での疎外感、失望、家庭内のこと、そういうしんどい気持ちからの支配を一瞬和ませてくれる郷里の方言、それをわざわざ聞きにやって来たのだ。