2013年8月16日金曜日

福島第一原発の増え続ける汚染水対策を検証する


 3.11で災害事故にあった福島第一原発の1号機から4号機で、地下に溜まった汚染水が毎日400トンも増え続けているという。

 その理由は山側から1日に1000トンの地下水が海側へと流れていて、そのうちの400トンが原子炉建屋の地下に流れ込み、残りの600トンが海へ流れているからだという。

 その流れ込みがなければ、もともとの400トンの水で循環させられ、増える事もなければ減る事もなく溶けた燃料を冷やし続けられる。

 循環のシステムを説明すると、原子炉の圧力容器に流し込まれた水が、メルトダウンして底部にある核燃料を冷やし、それによって生じた汚染水は東芝のサリーや米国製のキュリオンで放射性物質が取り除かれる。さらに淡水化装置で塩分を取ってから、また溶けた核燃料を冷やすために注水されている。

 所がその400トンの水の循環システムの中に、毎日新たに400トンの地下水が加わり、それが汚染されてしまう状況になってしまっている。

 つまり400トン(流れ込みを除いた循環している水)+400トン/日(毎日流れ込んでいる水)=800トン (毎日これだけになり、ここから400トンを汲み上げてタンクに保管している)といった計算になる。

 では地下水は、いったい原子炉建屋地下のどこから入り込んで来ているのだろうか?
 
 地下水の流入は1号機、2号機、3号機、4号機で起きていて、5号機と6号機ではそれがない。
 
 原子炉建屋の地下では、1~4号機ともにパイプやトンネルで互いに繋がったりはしていないという。それぞれの建屋から、地下水が流入している。

 5号機と6号機というのは、災害事故当時は偶然にも地上に空冷式の発電機が1台あったために、全電源喪失を免れた。それを1~3号機に繋げようとしたが、ケーブルの長さが足りなかったとかいう。もう1台もしあったとしたら、メルトダウンが防げたかも知れないと思うと残念である。

 この2基に地下水は流入していない。メルトダウンした1~3号機の原子炉建屋地下と、3号機のベント時の排気の逆流で水素爆発した4号機だけに地下水が流れ込んでいる。

 どこからかというと、原子炉建屋の格納容器下部にはあちらこちらからパイプが地中に出ていて、メルトダウンの高熱でそのパイプがやられ、そこから地下水が入り込んでいるらしい。
 溶けた核燃料が格納容器底のコンクリートをヒビ割れさせてそこから地下水が入り込んでいるのとは違うようだ。

 下の図の4号機を見ると地下の溜まり水は少ないが、ここでも地下水は増えているのが分かる。この4号機は事故当時は点検中で核燃料がない状態だった。それなのになぜ、格納容器下部の配管が損傷してない4号機で、地下水流入があるのか?

 ここは3号機のベントの際に排気管が共通なので水素ガスを含んだ排気が逆流し、爆発を起こした。その爆発時の影響なのか分からないが、格納容器下部の配管が壊れ、地下水が入り込んでいるという




写真

(上の図は東京新聞電子版から)