良く、国とかの借金がこんなに膨らんだのは、貿易黒字で貯まった資金を使う様に言って来たアメリカに責任がある様な事を言う人がいる。
確かに貿易黒字を解消する様に内需拡大を要望したかも知れない。しかしそれがイコール建設工事を主にした公共事業に使う様に言ったという事ではない。
その趣旨はカネを循環させるという意味である。カネが一ヵ所に貯まっていたのでは、世界の経済が回って行かなくなるからという理由だろう。グローバル経済だから、全体で回して成りたって行く必要がある。
いかにしてカネを使い世界経済に貢献して行くかが問われる様な所がある。それなのに、鉄やコンクリートの資源は輸入するが、黒字の多くを国内で使用してしまったり、貯蓄してしまうのではカネが循環しないで、結果的にどこかに歪が出てしまう。
その部分の理解が、どうしても日本の経済学者や政治家たちには今ひとつだったのだと思われる。島国で、世界各国にそれ程人々が住み着いていない国の人々であった所にその原因があるのだろうか。
そこへ行くと中国は違っていた。世界中の様々な国々で土着している割合は多いし、カネを回す理解も日本よりしていた。
中国は世界の工場と言われている様に、各国の企業を次々に国内に入れて来た。まあ日本とは土地や自然環境も違うので一概に同列の比較は出来ないのであるが。
それでアメリカは、中に入れたがらない日本より中国の方が経済的には付き合い易く、経済を回して行くためには必要性が高いと評価したのだと思う。
しかしそんな中国でも、ホンダの工場で賃上げストが起きている様に、インフレ、賃金上昇が起きて来た様である。
これまで何故賃金上昇、インフレが起きなかったかと言うと、工場の労働者として内陸部からやってくる安い労働人口に安定的に支えられて来た事が、その理由だという。
しかしいま現在では、景気対策で内陸部への公共事業に大きな資金を投入し(四川大地震などの頻発する地震復興も原因の理由だと思うが)、そこに労働力が取られるので、都市部に人が回らず、従って人手不足になり、賃金が上昇して行く、という現象が起きているという。