2010年6月6日日曜日

総理になると初めて明かされるこの国の実情?

 テレビを付けると、「総理大臣が1年も経たない内に何人も辞めて行く様な状態は好ましくない。どうにかしなければならない」と出る人出る人、誰かの指示でもあったかの様に言っている。

 しかし皆どの総理も長くやろうと思ってなったのだとと思う。しかし、いざなって見て、この国の置かれた極めて困難な事態が、まざまざと分かったのだ。

 つまり総理大臣にならないと、この国の困難に直面している状態が分からないという事なのだろう。

 だから、総理になってから気が付くのだと思う。そして「私ではとても力量不足です」という事で辞めて行く。この事は全く自然な成り行きで、総理以外の他の人間のほとんどはそんな事とはつゆ知らず、何ですぐに辞めてしまうんだ、情けない。もっと続けないと、外国に対して恥ずかしい、などと言っている。

 今その地位になるという事は、楽な国家運営の時に総理大臣になるのとは違い、倒産寸前の企業の社長に就任する様なもので、自分の時に倒産したら困ると誰もが思っているのだろう。
 ある日突然会社が倒産し、従業員は全くそれに気が付かなかった。そんなのと似ているのかも知れない。

 何故上の方は、会社の危機を従業員に伝えて来なかったのか。それは仕事をする上で、いらぬ心配をさせたくはないというのもあるのだろう。また歴代のトップの犯した失敗が表ざたになるという事もあるのかも知れない。

 しかし、皆が危機意識を共通して持てば、従業員も倒産はしたくないから、頑張って働くかも知れないのだ。不安になって辞めて行く事を心配するよりは、より以上の力を発揮する事に期待した方が良い様に思う。

 まあ、そんな事を妄想してしまった。

 良く、「将来に不安を持っていては、消費も思う様に出来ない、だから政治家には安心出来る様な制度を作って欲しい」と聞く。そんなものは出来ないから、皆苦労している。分かりましたなんて言うやつは詐欺師に近いよ。将来に何が起こるかは分からないのである。
 ただ言えるとすれば、難局を乗り切れる人材を育てる事ではないだろうか。


            < さて、>
 いま新しく総理大臣になったK氏はある誘惑に駆られている。37兆円の税収で、92兆円の支出がある国家財政で、この先さらに支出は膨らみ、国の累積赤字も900~1000兆円になる状況である。

 こんな状況で、もうこうなったら印刷機でおカネを刷って、返済に充ててしまおう。日銀はそんな事をしたら、金融システムが崩壊してしまうかも知れないと、必死に堪えているのだが、赤字は止めようもない。
 支出を削減して赤字を止めようとすると、それで生活している人達が、職を奪われる事になるので猛烈に反対する。つまり傷みを伴うのだ。

 だから誰もが、手を打たない。だからこのままでは、自然に国家が崩壊するのを待つしかないのである。崩壊すると、経済連鎖が起こり、他の国へ大きな影響が出る事も考えられるので、アメリカはそれを予測して中国にシフトしている。

 ただ米軍は退かない。何故なら、仮に日本が近い将来に崩壊したり、混乱を来したりした場合、その混乱の中で蜂起が起きたりすると、米軍が出動する必要に迫られる事態が起こる事が想定されるからである。

 残念ながら民主主義の世の中にあっては、自然崩壊以外に思いきった手を打つ事は中々出来ない。誰かが手を売って犠牲が出れば、マスコミや世間が大騒ぎして、犯人を吊るし上げるからだ。

 こういう世の中では、誰も手を打てなくなって、自然崩壊で大きな犠牲を払うしかなくなって来る。そうなれば、誰のせいでもなくなる訳だ。

 これだけ平等主義が広がり、しかも裕福な平等主義である。稼ぎ出す能力以上に裕福な生活を、借金でしてしまっているという現実を誰もが理解していないかの様である。