2010年4月28日水曜日

ゆでガエルの法則と日本の現状

 中国での自動車の販売台数が世界一になったといったマスコミ報道が、つい先日あった事は記憶に新しい。

 日本のメーカーも随分と向こうに工場が増えている様である。家電メーカーも例に漏れないだろう。日本各地で町中の大きな工場が次々と消え、その広大な跡地に大型ショッピングモールが出店したりしている。

 人件費の安い中国へと工場が移って行ってしまう。そして日本国内には失業者が増えて行く。

 日本では中国と比較して、高等教育を受けた人が多いから、人件費の高い分、付加価値の高い仕事をしようとして、コンピュータをやたらに搭載した自動車や機能満載の携帯電話を作ったが、ガラパゴスとか言われている様に、世界では中々認めてもらえない。

 つまりこういう事態になっているという訳である。わが国は敗戦から、高度経済成長を遂げて、先進国の仲間入りをする様になった。そして多くの人々が高等教育を受けられる様にもなった。その結果、賃金の高い人々、教育水準の高い人々が大量に生まれた。

 その人達がその立場に見合った仕事を思う様に出来ていない。成果が十分に上げられていない。そのために、国の税金に頼って生活する人々が増え、あちこちで借金依存型の体質が蔓延してしまい、このまま行くと大変な事態になる事が予想されるが、それが10年先か20年先か誰にも確かな予測は出来ない。

 有名な「ゆでガエルの法則」というのがあって、蛙を熱い湯の中に放り込めば、すぐさま飛び出すが、水の中に入れて置いて徐々に温めると、飛び出る時期を逸して死んでしまう事を他の例にも当て嵌めていうのである。

 例えば、今日の日本に当て嵌める事が出来る。このままでは大変だと、頭では分かっていても、実感が湧かないというのが現状である。だからどうしてもぬるま湯の中から飛び出そうという気になれないのである。

 企業ならば、親会社が外国へ行ってしまったり、仕事が激減したりで実感が半端じゃない訳だが、税金で安定した収入が確保されていると、そういう実感が湧かないのである。だからどうしてもぬるま湯の中から出るのは嫌だといった意識の方が勝ってしまうのだ。