2014年9月3日水曜日

国立競技場の解体は予算67億で契約は39億



 
 日本スポーツ振興センターが発注した国立霞ヶ丘競技場(東京都新宿区霞ヶ丘10-2)の解体工事の入札があり、関東建設工業(埼玉県行田市)が二つに分けて発注された北工区と南工区ともに落札した。契約額は北工区が20億880万円(税込)で、南工区が18億6,300万円(税込)。

 予定価格は北工区が26億9,178万5,520円(税込)、南工区は24億9,928万3,080円(税込)。

 これまでの経過を説明すると、5月の時には参加業者が予定価格を上回ってしまい、落札されなかった。その予定価格は北工区が20億3,686万2,000円(税込)、南工区が18億7,963万円(税込)だった。
 これに対して、業者が出した最低額は北工区が23億7,000万円(税込)、南工区は24億5,600万円と大きな開きがあった。

 そこで、今回は予定価格を見直して、高めに設定し直した。また入札参加資格を広げ、ゼネコン以外にゼネコンの下請けとなっていた解体業者も直接参加できるようにした。
 その結果、落札額は最初に行われた入札時の予定価格よりも下回った。

 もともとの予算は67億円であった。それと比較してみると、20億880万円+18億6,300万円=38億7,280万円で、予算とは28億2,720万円もの金額差がある。

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 今回の入札に参加した業者と入札額(税別)は次の通り。

 北工区

     フジムラ(東京都江戸川区)・・・16億4,140万円

     関東建設興業(埼玉県行田市)・・・18億6,000万円

     松田都市開発(福岡県福岡市)・・・20億8,000万円

     西松建設・・・21億4,000万円

 ゼネコン1社と解体業者3社が応札し、参加申請していた前田産業(熊本県熊本市)は入札前に辞退した。


 南工区

     フジムラ・・・15億4,140万円

     関口興業(東京都足立区)・・・16億4,000万円

     関東建設興業(群馬県太田市)・・・17億2,500万円

     大和小田急建設・・・18億3,600万円

     松田都市開発・・・18億5,000万円

     前田産業・・・18億8,800万円

     安藤・間・・・21億8,000万円

     フジタ・・・23億5,000万円

     関東建設工業(群馬県太田市)・・・24億円

 ゼネコン3社と解体業者6社の計9社が応札し、参加申請していた飛島建設は入札前に辞退した。

 日刊建設通信新聞によると、南北の両工区で最低札を出した業者と南工区で2番札の業者が、積算内訳、品質確保体制、安全衛生管理体制、建設副産物の搬出計画、施工体制などを調査されたが、合格ラインには不十分とみなされ、関東建設興業に決まったという。