2010年5月7日金曜日

バブルがはじけた博物館

 「博物館が閉館の波」と新聞の見出しに出ていた。自治体の財政難で、増え続けて来た博物館が閉館の数が増えているという。

 私も以前、とある地方の立派な博物館へ行った時、余りの建物の立派さに「素晴らしい建物ですね、県立の博物館のようで、とても住民が数万人の自治体のものとは思えませんね。維持費も大変でしょう」と多少皮肉交じりの称賛を述べた所、「どこかで買ってくれる所はありませんかねぇ」と言っていた。

 しかしこんな大きな建物をどこかへ運ぶなんて出来ないし、誰も買えはしないだろう。

 色んな箱物を造り続けて行けば、一施設での維持費が何億円と掛かるのだから、そんなものを次々と建てて行けば、将来的にはそれらの維持費が財政を圧迫して、予算の動きが取れなくなると大分以前から、あちらこちらで言ったりはしていたのだが、それを分かってはいても誰も手を打たなかったというのが現実なのだろう。


             本庄市歴史民俗資料館

明治16年(1883)に建てられた旧本庄警察署









       

















 建物自体が文化財だ。床はギシギシと音がする。展示は古墳時代の土器や埴輪から旧中山道の宿場町の資料とか近代の様々なものまでと割と内容は豊富である。

 これなら維持費なんて知れたものだろう。こういう資料館や博物館を造れば、少なくとも借金で苦しむ事はないだろうと思われるのだが。