こんな所から見ても直ぐに分かる富士山。その八の字型のなだらかな稜線は、他の山とは違い、一部分が見えただけでも誰もが「あ、富士山だ」と分かってしまう。
電車に乗っていても、駅のプラットフォームからでも、他の山と一緒でもその形から直ぐに分かる。関東平野から見る富士山とは、そんな山である。
だからボクは「富士山」と呼ぶよりも、「富士さん」と言いたい。
「あ、富士さん」、「あら、富士さんだ」、そんな風に。
でも、これくらい近くにやって来ると、やっぱり「富士山」だな。雄大で、美しくて、圧倒されて、心打たれるものがある。
「あたまを雲の上に出し」とか「富士の高嶺に降る雪も 京都先斗町に降る雪も」や「田子の浦ゆうち出でてみれば真白にぞ」などと歌謡曲や万葉集でうたわれる富士山。