新国立競技場の建設は、いま人手不足や資材の高騰が深刻なので、実際の費用がいくらになるのか誰も分からないのでしょう。ゼネコンは安く請け負ってしまうと、最終的に赤字になってしまう怖れがあるので、2,520億円という金額を出したのでしょうか。1,625億円と見積もった設計会社は現状を把握できていないのかもしれません。ゼネコンは5年後の東京オリンピックまでを見通して、この巨額な価格を提示したのでしょう。ですから5年先には日本中のあらゆる工事が何倍にもなり兼ねないのです。
それを見越して来年度予算では公共事業費を10%カットするようです。
再開発や高層マンションの建設が盛んなのは容積率が大幅にアップされた地域です。元々建っていたビルの3倍とかの高さになるので、建設費が高騰しても、建物の売ったり貸したりする分譲住宅やオフィススペースが何倍にもなります。それらを売ったり貸したりすれば、建設費が十分まかなえる事になります。
それ以外でビルやマンションを建てようとすると、賃貸や分譲の価格に中々上昇分を転嫁できないので、厳しい状況と思われます。
近所の建築中のビルやマンションを見てみますと、予定よりかなり遅れて着工し、それからも中々工事の進捗はゆっくりしています。人手も少ないようで、時間をかけて人手を少なくして建設費を抑えようとしているのでしょうか。
計画が白紙撤回された新国立競技場は、こんどは予算が1,800億円くらいを見込んでいるようですが、そのくらいを見込んでゼネコンに打診するとたぶん2,000億円にはなってしまうかと思ったりもします。
【日本青年館・日本スポーツ振興センター本部棟】
名称: 日本青年館・日本スポーツ振興センター本部棟の建築工事
地番: 東京都新宿区霞ヶ丘町16-8
用途: 劇場・ホテル・事務所・駐車場
規模: 地上が鉄骨・地下は鉄骨鉄筋コンクリート造で16階地下2階建て、延べ面積は32,000㎡
建築主: 日本青年館、日本スポーツ振興センター
設計者: 久米設計
施工者: 安藤・間
工期: 2015年7月~2017年6月
地番: 東京都新宿区霞ヶ丘町7-1
規模: 鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄骨造9階地下3階建て
施工者: 田中建設工業
工期: 2015年5月~2015年9月
名称: 旧東京電力病院地下部解体工事
規模: 鉄骨鉄筋コンクリート造7階地下2階建て、延べ面積は約5,609㎡
発注者: 東京建物
施工者: 大林組
工期: 2015年5~2016年12月
地番: 東京都新宿区信濃町35-1
用途: 病院
規模: 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造11地下2階建て、延べ面積は合計で約155,199㎡(内訳はⅠ期 10,794㎡ Ⅱ期 62,294㎡ Ⅲ期 1,305㎡)。
建築主: 慶應義塾
設計者: 竹中工務店
施工者: 同上
工期: 2014年3月~2020年2月
【早稲田大学の新教室棟建設計画】
名称: (仮称)早稲田大学早稲田通り新教室建設計画
地番: 東京都新宿区早稲田1-575-1他
用途: 学校
規模: 地上6階部分が鉄骨造・地下1階は鉄筋コンクリート造、延べ面積が約4,050㎡。
建築主: 早稲田大学
設計者:三菱地所
施工者: 未定
工期: 2015年11月~2017年2月
【三井住友銀行新宿ビル解体工事】
地番: 東京都新宿区新宿3-17-5
規模: 鉄骨鉄筋コンクリート造9階地下3階搭屋3階建て、延べ面積は約11,791㎡。
事業主: 三井不動産
施工者: 三井住友建設
工期: 2015年5月~2015年12月
地番: 東京都新宿区新宿6-55-1他
用途: 大学(附属病院)
規模: 鉄骨造3階建て、延べ面積は約1,108㎡。
建築主: 東京医科大学
設計者: 大林組
施工者: 同上
工期: 2015年9月~2015年12月
地番: 東京都新宿区早稲田南町7
規模: 鉄筋コンクリート造 地下1階・地上2階建て、延べ面積は約1,250㎡。
工期: 2015年11月~2016年10月
※ 建設予定地で建物の土台石が見つかったために発掘調査をするので、既存建物の解体後のスケジュールは遅れる見通しです。