ホンダは埼玉県狭山市の狭山工場の生産体制を縮小する方向で同県寄居の新工場を稼働させる計画だ。日本経済新聞に狭山市長へのインタビューが載っていて、この縮小が市にどう影響するかが語られていた。
これによると、狭山市は2003年度以降は地方交付税の不交付団体だったが、リーマン・ショック以後に税収入が減り、2010年度から交付団体になった。
ホンダの法人市民税は2007年度に過去最高の58億円だったが、2011年度は16億円と激変した。
狭山工場には比較的狭い場所に約6300人が働いている。狭山工場で働く従業員が減ると、市への法人税が減る他、市内在住の従業員が転出すれば個人市民税も減る。
また設備が減れば、固定資産税に影響が出る。
狭山工場からは1000人の従業員が移動する予定だという。市内に住む従業員は6300人の半数よりも少ない。
一方、狭山工場へ通勤していた従業員の大半は、自動車で寄居工場まで通勤すると見らている。寄居工場の稼働当初の従業員は約2200人。
寄居町では工場の稼働を機に町へ定住してもらおうと様々な支援策を打ち出している。
川越狭山工業団地
狭山市
ホンダ
ホンダの伊東孝紳社長は21日、中長期の取り組みについて記者会見し、2013年7月に稼働する埼玉県寄居町の新工場について「小型車専用とすることで生産効率向上をはかる」と述べた。2014年春稼働のメキシコ工場についても同様に小型車専用とする。
寄居工場は新たな生産技術の投入により、高効率な体質を構築し、新型「フィット」などの小型車を集中生産する。同県狭山市にある既存工場は2本ある生産ラインの一部を集約。10機種以上を混流生産できる体制にする。鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)では軽自動車をメーンに生産するという。
伊東社長は「国内で100万台という生産体制は維持する」と強調。「半分を鈴鹿、半分を関東地区で生産し、それぞれの工場が事業を継続できるようにする」と述べた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
産業の現状とホンダ寄居工場の立地
ホンダ寄居工場2013年操業へ
新型「フィット」生産予定の寄居工場
(2013.3.26 更新)